Cork

頬杖日記

子どもと読んだ絵本、遊び、自分の勉強、そのほか面白い・便利と思ったものを書いています。ボストン在住。

MENU

【理科実験】重曹で綺麗にできる!ヒイラギの葉脈標本

先日、子ども達とヒイラギの葉を使った葉脈標本作りに挑戦しました。

ヒイラギは英語ではホーリー (Holly)と呼ばれ、クリスマスの装飾にも欠かせない植物。

ホリデー期間にぴったりのアクティビティです*1

ネットで標本作りを調べると、水酸化ナトリウム、パイプ洗浄液、または重曹を溶媒に用いていますが、その中でも重曹は失敗率が高いという情報がちらほら。

それでも、子ども達と一緒にやるには一番安全・安心な重曹でなんとかしたい。

いろいろ試した結果、ほぼ100%成功できるまでになりましたので、コツを含めて手順をまとめました。

 

完成イメージ

f:id:ecubic:20201221121301j:plain

※漂白前の状態です。

 

 

準備するもの

  • ヒイラギの葉 (表面に黒い粒や茶色い部分がなくツルッとしたものが良い)
  • 重曹 (水に対し10%の重さを量っておく)
  • 古い歯ブラシ
  • 割り箸
  • キッチンペーパー、または段ボールなど
  • 葉を洗う容器
  • 漂白剤 (白くしたい場合)
  • 着色用のペンや道具(色付けしたい場合)
  • アイロン (すぐに乾燥させる場合)

 

 

手順

1. 鍋に水を沸騰させ、沸騰したところで重曹を加えます。重曹が溶けきったら用意していたヒイラギの葉を投入します。

※アルミ製は鍋が黒くなってしまうのでNG。

f:id:ecubic:20201221120120j:plain

POINT

鍋に入れる前にヒイラギの葉全体爪でうっすら跡がつく程度に押しておきます。こうすることで葉の表面の層が剥がれやすくなります。

 

2. 葉の全体が暗緑色になったら水を溜めた容器に移して軽く洗います。

濃い緑だったものが、よもぎいろ→暗緑色と変化していきます。

f:id:ecubic:20201221121332j:plain

 

葉全体が暗緑色になればOKです。

f:id:ecubic:20201221120744j:plain

 

3. 葉の裏側をよくみると表面の層 (クチクラ層といいます)と葉の間に水が入りぷくぷくとしています。この表面の層をゆっくりと剥がします。

f:id:ecubic:20201221120940j:plain

 

4. 表面の層がだいたい剥がれたら、葉の裏側から歯ブラシで叩きます。葉肉が取れてきたり、葉が乾いてきたら、つど水で洗いましょう。

POINT

葉の表面と葉脈を叩き剥がすつもりでよく叩きます。

 

5. 葉をひっくり返し、表側の層もゆっくり剥がします。洗いながら全体を剥がしていきます。

f:id:ecubic:20201221120936j:plain

POINT

裏に比べると表側は剥がれにくいです。剥がれにくい部分は、もう一度葉を裏返し、裏側の層の剥離 -> 歯ブラシ叩き -> 表側の層の剥離と繰り返します。

層を剥がす際は、葉の中心から外側に剥がしていくほうが、輪郭が綺麗に残ります。

 

5. 漂白剤につけて、葉を白くします (10分〜)。漂白後はよく洗ったら、ペンや絵具で色付けします。完成したらキッチンペーパーや新聞紙に挟んだ上で、おもしを載せて一晩寝かすか、アイロンを当てて乾燥させて完成です!

 

 

おまけ実験

もし顕微鏡があれば、上記手順の中で剥がしたクチクラ層を観察してみると、綺麗な気孔を観察することができます!

f:id:ecubic:20201221121050j:plain

 ※単眼顕微鏡400倍で観察したものを携帯で撮影しています。

 

 

終わりに

8-12歳くらいの子ども達とこの標本作りに取り組み、みんなオリジナルの葉脈標本を完成させることができました!

実際に作成してみることで、葉っぱの中で葉脈がどれだけ細かく広がっているか実感することができたと思います。

また、クチクラ層を観察して見える気孔は、とても明瞭に見ることができます。

葉の表側と裏側を観察することで、気孔の分布が葉の裏側で圧倒的に多いこともしっかり目で見て確認することができました。

なお、この方法はヒイラギの葉のみで試しています。

他の葉を使う場合も手順は同じですが、その種類の葉に合わせた調整が必要になるかもしれません。

これでできたよ!この葉でもできた!というご経験があれば是非是非教えていただければ嬉しいです。

 

 

*1:常緑性の植物なので冬季に限らず年間を通して挑戦できます。