遠心分離機という実験機器をご存知でしょうか。
遠心力を使って液体中の比重の異なる成分を分離する機械です。
実験室で使われるこの機器ですが、ぶんぶんゴマで同じ仕組みを体感することができます。
この記事ではぶんぶんゴマを作ってジュースを遠心分離した実験をまとめました。
準備するもの
- 厚紙
- テープ
- ストロー
- タコ糸などの紐
- トマトジュースなどのジュース
- 定規
実験手順
1. 厚紙を切ります。
半径3 cmの円を2枚用意します。
中心には1 cmの間を開けて2つの穴を開けます。
2. ストローを切ります。
3 cmに切ったストローを2本、10 cmに切ったストローを試料分用意します。
3.長いストローに分離したい液体を入れます。
まず片方の端を折ってテープで固定します。
もう片方の端は液体を入れてから端を折り、溢れた液体を拭いてテープで固定します。
左からトマトジュース、ベリースムージー、マンゴースムージーです。
ストロー中に空気が入らないようにします。スポイトがあるとやりやすいです。
4. 1で切った厚紙に短いストローを貼り付けます。
中心の穴の外側に土台になるように貼り付けます。
5. 長いストローをもう片方の厚紙に貼りつけて、ぶんぶんゴマを組み立てます。
2枚の厚紙を合わせる際に端をできる限り閉じたほうがうまく回ります。
6. ぶんぶんごまを100回以上回してから中のストローを取り出して観察します。
十分回転させたら、円盤の面の部分が上を向くようにした状態で回転を落とします。
円盤から外したストローは、日や明かりにかざしてあげた方が中がよく見えます。
これはトマトジュースです。先の方に赤が濃い層ができています。
残り2本はこちらのスムージージュースで試してみました。
マンゴーの方はいまいち分離具合は分からず。
ベリーの方は先の方に少しだけ固形物質が出ていました。
終わりに
ぶんぶんゴマでジュース中の成分を分離する実験を試しました。
トマトジュースでは層ができ、ベリージュースでは固形物が出てきて、遠心分離の効果を体感することができました。
ジュースを変えると結果も変わるので色々な飲み物でやって比較すると面白いです。
このぶんぶんゴマを使った遠心分離法、2017年には
血液サンプルの処理やマラリア原虫の分離を、電気なしで安価に行うことが可能だ
として科学冊子Natureに論文が掲載されています。
また、ぶんぶんゴマではないですが、ゴルゴ13の「病原体・レベル4」ではタイヤの車輪に試験管を取り付けて回すことで、エボラウイルスに感染した猿の血液から血清を作るお話があります。
これらの方法が実際に医療で利用されているという情報は見つけられませんでしたが、"遠心分離ができると何に使えるか"を考えるには面白い例だと思います。