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頬杖日記

子どもと読んだ絵本、遊び、自分の勉強、そのほか面白い・便利と思ったものを書いています。ボストン在住。

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インポッシブルフーズ|"肉らしさ"の秘密とインポッシブルバーガーを使った餃子レシピ

インポッシブルバーガーのラベル

アメリカにおける代替肉企業の2大巨塔のひとつインポッシブルフーズ。

前回のビヨンドミートから間は空きましたが、ついにインポッシブルバーガーを手に入れたので早速調理して食べてみました。

インポッシブルフーズの製品であるインポッシブルバーガーは、現在Walmart、Target、Wegmansなどで手に入れることができます。

 

インポッシブルフーズの"肉らしさ"の秘密

インポッシブルフーズは、肉の風味を出すための研究に熱心に取り組んでいます。

お肉の風味を出すものは何かと考えた時に、インポッシブルフーズの科学者達はヘムが重要だと行きつきました。

動物の体内で酸素を運搬するヘモグロビンや筋肉中で酸素を貯蔵するミオグロビンなどがヘムを含む化合物として有名です。

impossiblefoods.com

 

インポッシブルフーズの研究者達は複数の植物を比較し、大豆の根から取れるレグヘモグラビンが、自分たちが求める肉らしい風味を出すために最適だとたどり着きます。

レグヘモグラビンを含んだ納得の代替肉を作り、レグヘモグラビンの安全性の確認も完了したR&Dですが、ここでレグヘモグラビンの生産という壁に突き当たります。

大豆の根から取得できるレグヘモグラビンはわずかで、かつ手間もかかったため、この方法では安価な値段で消費者に届けることはできませんでした。

そこでインポッシブルフーズは、大豆の遺伝子を組み込んだ酵母を作り、その酵母を発酵させることでレグヘモグラビンを生産する技術を確立しました。

これにより、植物性のヘムを加えて肉らしさを再現した代替肉を、利用しやすい価格でフランチャイズ店やスーパーで売り出せるまでに至りました。

なお、一部では遺伝子組み換え食品 (GMO)への抵抗感が強いアメリカですが、インポッシブルフーズは、遺伝子組み換え大豆と遺伝子組み換え酵母を利用しています。

その上で、自社ホームページにて、動植物の交配と選択に始まる人為的な遺伝子選択の歴史とその利用を紹介してGMOの有用性を紹介しています。

それに対しビヨンドミートはNON-GMOのラベルを取得しているので、ここはビヨンドミートとインポッシブルフーズの市場争いにおいてひとつの争点になりそうです。

 

 

インポッシブル餃子

前置きが長くなりましたが、早速実食を。

最初のメニューは我が家のひき肉料理で一番人気の餃子に挑戦しました。

豚ひき肉も一緒に調理して比較します。

 

材料 (餃子約80個分)
  • 餃子の皮
  • キャベツまたは白菜...4-5枚
  • ひき肉...450 - 500 g
  • 生姜...2かけをすりおす。またはチューブ2 cm ★
  • ニンニク...2かけをすりおろす。またはチューブ2 cm ★
  • ごま油...大さじ1 ★
  • 鶏ガラ...大さじ1 ★
  • 塩...小さじ1 ★
  • 胡椒...少々 ★

 

アメリカで餃子を作るときは、いつも真味の上海水餃子の皮を利用しています。

水餃子とありますが、焼き餃子でも美味しく頂けます!

Twin Marquis dumpling wrappers 真味の餃子の皮

 

ちなみに日本ではモランボンの餃子の皮が断然おすすめです。

皮に厚みがあり、適度な弾力と、しっかり包み込まれた肉汁を楽しめます。

 

 

調理

1. ひき肉に★のついた調味料を全て加えてよく捏ねます。

調味料を混ぜて捏ねます。左が豚ひき肉、右がインポッシブルバーガー

2. 1のひき肉にみじん切りにした野菜を加え、均等になるようにざっくり混ぜます。

インポッシブルバーガーのひき肉を使った肉餡

野菜を投入後ざっくり混ぜます。左が豚ひき肉、右がインポッシブルバーガー

3. 肉餡を餃子の皮に包んでいきます。

 

4. 餃子を焼きます。

 4.1 油を引いたフライパンに餃子を並べ、下にした部分に焼き色がつくまで中火で焼きます。

 

 4.2 焼き色がついたら、お湯を餃子の高さの1/3くらいの高さまで加え蓋をします。

 4.3 そのまま水が少なくなるまで10分弱中火加熱します。

 4.4 最後、蓋を開けて水分がなくなるまでそのまま加熱します。

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 4.5 最後に少しごま油を足し、2-3分ほど中火〜強火で焼いて完成です。

 

豚ひき肉でもインポッシブルバーガーでも同じレシピで作りました。

余裕があれば2の後に肉餡を1時間ほど冷蔵庫で休ませると味が馴染みます。

お野菜を塩揉みして水抜きするレシピもありますが、このレシピでは野菜は水分は抜かずにそのまま使っています。お野菜の旨味も残りおすすめです。

 

実食

美味しそうに焼けました。

外から見るとどちらも見分けがつきません(当然笑)

 

豚ひき餃子

豚ひき肉を使った餃子

豚ひき肉餃子の断面図

美味しく焼けました。

今回は脂身が多めの部分のひき肉だったのか、肉汁たっぷりの美味しい餃子でした。

 

インポッシブル餃子

インポッシブルバーガーを使った餃子

インポッシブル餃子の断面図

普通に美味しい!言われなければ代替肉だとは分かりません!

言われてみると、最後の方に少し大豆のような風味を感じますが、風味、食感ともにまさか100%お野菜とは思えない出来です。

豚ひき餃子との大きな違いとしては、滴る肉汁はほぼありませんでした。

もともと牛肉の代替肉として売っていますので、ジューシーさがないのは本物の牛肉を使った時と同じかもしれません。

肉汁が好きな方や、麻婆豆腐などの肉汁を生かした料理を作るには食用オイルを足すなどの工夫が必要そうです。

上のレシピでは味付けに鶏ガラを使っていますが、塩、胡椒のみにしておけばビーガン餃子も美味しくできそうです!

 

 

まとめ

インポッシブルフーズの代替肉は、予想以上の美味しさでした。

普段からお肉を食べる方でも十分満足していただくことができそうです。

微妙な大豆の風味が気になる場合、ハンバーグを作って豆腐ハンバーグだよ!と言われれば脳はすっかり騙されそうです。

ビヨンドミートは調理中も食べる時も独特な匂いが気になってしまったのですが、インポッシブルミートではそのような香りはありませんでした。

癖が少ないので、料理の種類などを気にすることなく幅広く使えそうです。

そして"インポッシブル餃子"というネーミングもいい感じですね笑

次回は、もうひとつ試してみたかった肉味噌を作って食べてみます!

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