対象年齢4歳〜 (米国市場基準)
Giles Andreae(著)/Guy Parker-Rees (絵)/Scholastic Inc./2012
内容
ジェラルドは背のたかーいキリンです。
彼の首は細くてスリム。
でも彼の細すぎる足は、膝でカクッと曲がっています。
そんなジェラルドは、立ち止まっている時は問題ないけれど、走ろうとした途端に膝から転んでしまいます。
さて、今年も毎年恒例のジャングルダンスの日がやってきました。
ジェラルドはダンスも苦手。。
他の動物達は、思い思いのジャンルのダンスを順番に披露していきます。
次はいよいよジェラルドの番です。
息を吸い込み、ステージに出て行ったその時、
「見ろよ、不器用なキリンが出てきた。キリンはダンスできないんだぜ。」
と動物達がジェラルドのことを笑い始めました。
かわいそうなジェラルド。
彼は凍りき、その場に立ち尽くしてしまいました。
そして、静かにその場を離れたのでした。
深く深く落ち込みながら。
ジェラルドが森の中を一人で歩いていくと、少し開けたところに出ました。
「あぁ、なんて月が綺麗なんだろう」
ジェラルドがため息をつきながら呟きます。
「もしもし」
ジェラルドをずっと見ていたコオロギが、彼に話しかけました。
「合わないと思った時は、別の音楽が必要なんだよ」
コオロギは風と草木の音に合わせ、バイオリンを奏で始めました。
するとどうでしょう、ジェラルドの蹄が、首が、尻尾が、自然と音楽に合わせて動き始めます。
ジェラルドは後方宙返りをして、空中で舞いました。
「踊っている！僕踊っているよ！！」
ジェラルドは大興奮。
ダンス会場にいた動物達も、徐々にジェラルドのいた場所に集まってきました。
みんな驚き、そして、ジェラルドを褒め称えます。
「どうやってそのダンスを覚えたの？ジェラルド」
ジェラルドは、ダンスを終えてお辞儀をすると、上を見上げて言いました。
「自分の好きな音楽を見つければ、誰でも踊れるんだ」
感想
ダンスが苦手だったジェラルドですが、自分の好きな音楽を見つけて踊る楽しさを味わいます。
動物達に笑われるシーンは少し心が痛みますが、無難にうまく踊るよりも、心から踊りたくなる音楽を見つけられてよかったのかな。
表紙にもなっている群青色の夜空に黄色のジェラルドが舞うシーンは、色のコントラストがとても綺麗です。
お話の後半に出て来たコオロギは、よく見ると、ダンス会場のシーンからちゃんと描かれています。是非、探してみてください。
この本は、調べないと分からない単語が結構出てきました。
中でも下記2つの熟語は是非覚えておきたいなと思いました。
be rooted to the spot: （驚きや恐怖で）動けない；硬直した
creep off: こっそりと抜け出る
どちらも推理小説でよく出てきそうです。
この本のお勧め朗読動画
絵が動きます！
Giraffe’s Can’t Dance Animation Movie
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