対象年齢4歳〜 (米国市場基準)
John Lithgow(著)/Igor Oleynikov(絵)/Simon & Schuster Books for Young Readers/2007
内容
ある学生寮の地下にネズミの一家が住んでいました。
9月。激しい雨の降る日、ネズミのお母さんは娘のマハリアに頼みました。
「今日はもうお父さんは帰って来れないわ。小さい子ども達のために、何か食べ物を探してきてくれない?」
そう言いながら、お母さんは泣き崩れてしまいました。
マハリアはお母さんを抱き締めると、新聞紙に身を包んで外に出ます。
程なくして、寮のカフェテリアで食べ物を見つけたマハリア。
しかし、そこで彼女は誤って誰かの鞄の中に閉じ込められてしまいます。
しばらく揺られて辿り着いた先はマハリアの知らない場所でした。
家からは遠く離れた大学の講義ホールです。
前方で話す教授の話は面白く、マハリアは新居でひとりぼっち過ごしながらも講義を受け始めました。
ある時、生徒の一人がマハリアに気付き、「ネズミ!」と悲鳴が響き渡ります。
騒動を鎮めた教授はマハリアのノートを見てびっくり。
このネズミは、ここで勉強すべきだ!とマハリアの授業料や教材まで全て用意してくれました。
マハリアはそこから4年、勉強したり、いろんな活動に参加します。
そしてついに卒業の年を迎えます。
たくさんの報道陣が彼女を報道し、それはマハリアの家族にも知れることになりました。
6月。迎えた卒業式。マハリアは友人の肩に乗り行進の列に並びます。
突然ある一点にマハリアの目線が留まりした。
その先にはマハリアの家族の姿が!
マハリアは家族に駆け寄り、家族は愛情、安堵、誇り、歓喜に包まれます。
これでマハリアのおはなしは終わりです。
不合格とならないよう努力し、見事学士を取得した、小さな主役の物語でした。
感想
本の舞台はハーバード大学で、ネズミの家族が住んでいたDunster Houseも実在するハーバード大学の学生寮のひとつです。
著者のジョン・リスゴーさんはハーバード大学の卒業生で、このお話は卒業式の基調講演で披露されたそうです。
絵本にはその時の音源もついていて、映画・舞台俳優でもあるジョン・リスゴーさんの張りのある朗読を聞くことができます。
家族のことを思いながらも勉強し、大学生活を過ごし、そして迎える卒業式。
このおはなしは、卒業生や何か達成した方々へのメッセージが込められた絵本でした。
英単語はちょっと難しめ。大人も楽しめる絵本です。
関連記事
1,000 Books Before Kindergarten - 頬杖日記