対象年齢3歳〜 (米国市場基準)
Leo Lionni/Dragonfly Books, Reprint edition/1998
あらすじ
小石が一杯の小石の島に、3匹のカエルが住んでいました。
3匹のカエルはそれぞれ、マリリン、オーガスト、そしてジェシカという名前です。
ジェシカはいつもふらふらと出かけていて、
島の端から端まで歩いてなんの変哲もない小石を持ってきては、
「見て!これなんか特別じゃない?」と残りの2匹に見せて過ごしていました。
ある日ジェシカは小石の山の中に一際目立つ石を見つけます。
小石は雪のように白くて、満月のように丸くて、ジェシカと同じくらいの大きさです。
ジェシカがそれを持ち帰ると、今回ばかりはマリリンとオーガストともびっくり。
「それは石じゃなくて、チキンの卵だよ!」とマリリンが言いました。
その数日後、卵から出てきた長い緑色の体に4つの足がある動物を見て3匹は声を揃えます。
「チキンだ!!!」
チキンは泳ぐことがとても上手でした。
カエル達も一緒に泳ぎ、みんなで楽しく毎日を過ごします。
その中でもジェシカとチキンは親友となり、一緒に小島の中を歩き回りました。
ある時、ジェシカとチキンは1匹の小鳥に遭遇します。
「あぁ。ここにいた!君のお母さんがずっと探しているよ。おいで!私が道案内するよ!」
2匹が小鳥について行くと、そこには1匹のとても大きな動物が待っていました!
動物は目をゆっくり開けると「おいで、私の可愛くて小さなアリゲーター」と微笑みかけます。
チキンも、お母さん!とその鼻先によじ登ります。
母と娘の再会を見届けて、ジェシカはチキンに別れを告げ、家に戻って行きました。
家に帰ったジェシカは、マリリンとオーガストに起きた出来事を話します。
「チキンのお母さん、自分の子どものことを可愛いアリゲーターと呼んでいたよ。」
「そんな馬鹿げたジョークがあるか?!」
カエル達は笑い転げながら話したのでした。
感想
"あおくんときいろちゃん" や"スイミー"の作者であるレオ・レオニ作の絵本です。
カエルもワニも、顔の横まで長く引かれた口元に親しみが湧きます。
カエル達は、伝聞の知識だけでワニの赤ちゃんを最後までチキンの赤ちゃんだと思い込んでいましたが、見たことのないものを全然別のイメージで理解してしまうところは、同著者作のFish by Fishともちょっと通じます。
元々デザイナーであるレオ・レオは、"見ること"に色々思いがあったのかなぁなんて考える絵本でした。
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