3月末に、こちらの記事でCOVID-19によるロックダウンまでの状況を書いてから、はや2ヶ月が経ちました。
マサチューセッツ州は、ついに5/18からロックダウンの解除が開始しています。
ロックダウン期間の振り返りとして、4月・5月で気になったニュースや出来事をまとめました。
社会・コミュニティ
教育の場はオンラインへ移行したが。。
4月中旬に今学期の学校オープンはなしと決定され、オンライン授業が本格化しました。
ただ、一口にオンライン授業といってもその質や内容については賛否両論で、全く同じレベルで完全移行という感じではないようです。
知り合いのご家庭でも、学校から提供されているものは、ごく僅かですぐ終わってしまい、他の勉強法を子どもと探して実施していると話していました。
また、以下の記事ではアメリカ全体で900万人もの子ども達が、安定したインターネットアクセスが確保できずに、十分な教育を受けられていないという話が紹介されています。
上記記事で話をしているEducationSuperHighway*1によると、去年までで全米の公立学校内のインターネット普及率は99%に達し、インターネットの使用を取り入れた授業もかなり広まっていたとのことです。
それでも、授業の完全移行は難しく、さらには家庭でのインターネット普及も壁になるというのは、当然といえば当然のようにも感じますが、オンライン授業の難しさを物語っている気がします。
大学に関しては、宿舎の退去を命じられたアメリカへの留学生達が、かなり悪影響を受けているという話が出ていました。
留学生は通常、学業修了後にOPTを取得し、アメリカで仕事をスタートする場合が多いのですが、今回の措置によりアメリカ国外に出てしまった結果、国外からOPTを取れるかどうかもはっきりせず、そもそもVisa全般の発行自体も先行きが見えない中、就業のチャンスを絶たれてしまうというケースが多く出ているようです。
公共施設は引き続き閉鎖
室内型の公共施設は引き続き閉鎖しています。
暖かくなったこともあり、屋外で散歩したり、川沿いで座っている人が増えました。
レストランは引き続き店内使用不可
レストラン内での飲食は引き続きできず、テイクアウトやデリバリーのみの継続です。
でも、買いたいところは、使えないということも多く悲しいです。。
ロックダウン解除後は、まずは屋外での飲食が再開できるように進められています。
地域別、人種別でCOVID-19関連の統計値が公表されるようになる
4月中旬以降、マサチューセッツ州内でより細かな統計データが公表されるようになりました。今までは、大きなエリア全体の統計値しか出ていなかったものが、郵便番号別、人種別に公表され始めました。
このデータを見ると、やはりというべきか、感染数にかなり地域差があります。全般的に低所得の方が多い地域で、感染者数も多い傾向があります。
失業率の急増
アメリカの失業率が著しく増加しました。
下の記事の中にあるグラフを見ても、びよーんと失業率のグラフが跳ね上がっているのが分かります。
COVID-19の影響を受けた死傷事件も
アメリカ国内で、マスク未着用のお客さんを入店拒否をした店員さんが、お客さんに銃殺されるという類の死傷事件が複数発生しています。
ボストン周辺でも、距離を取るようナイフや拳銃で相手を脅した人が逮捕されました。
人種差別的な脅しの手紙が送られたり、暴行を加えられたアジア人のニュースも目にします。
また、交通量と歩行者が少なくなった影響で無謀な運転が増え、スピード違反や死亡事故率が上がる傾向もあるようです。
治安の悪化とまではいかないものの、行動制限への反発や日常の変化による影響が、こういう形でも目立ってきたのを感じています。
生活・育児
在宅勤務&隔離生活
3月中にロックダウンに移行して以降大きな変化は特になく。
ロックダウンで一番良かったことは、家遊びにじっくり取り組む時間が増えたことです。
今まで外に遊びに出かけていた時間が、レゴやマグネットタイルや人形を使った遊びに置き換わり、子どものいろんな創造物を目にするようになりました。
新しい作品やオリジナルストーリを見て、成長を嬉しく思いながら過ごしています。
逆に厳しかったことは、私のストレスが溜まり気味になったことです。
4月末以降は、毎日1〜2時間はパソコンを持って一人で外に出る時間を作るようにしてだいぶ調子が戻りました。
マスクの着用が義務化する
アメリカでマスクをしていると、”重病人”として白い眼で見られるからやめた方がいいと聞き、マスクはしないようにしていました。
それが一転、5月初めにはマスクの着用が義務化し、私の住んでいる市でもマスク未着用で3万円〜の罰金が課される。というオーダーが出ました。
今では、マスクをしていないと白い眼で見られてしまうので、マスク必須です。
薬局・スーパーは供給回復、それでも火種は完全には消えない
品薄だったトイレットペーパーとサニタイザーも、5月には見つかるようになりました。
生鮮食品類や冷凍食品類も買い溜めはおさまり、欲しい商品がないという心配はほぼなくなりました。
一方で、精肉工場でCOVID-19感染が出た影響で、食肉が品薄になっているという話や、卵の値上がりのニュースが話題にあがっています。
我が家では、今のところそのような影響は受けていないですが、市場の食糧生産に依存している限り、いつ起きてもおかしくないリスクだと少し緊張を感じています。
パンを作るための小麦粉やイースト、裁縫道具、家庭菜園道具など、家庭で時間をかけて取り組むための道具が人気で、場所によっては売り切れているようです。
Prime Now、5月に入りやっと使えるように!
4月中は生鮮物の宅配は全く空きがなく使用できませんでした。
5月に入った頃から、早朝に予約すれば空きが見つかるようになり、我が家でのPrime Nowの使用が復活しました。
航空便は便数が減らされ、多くが運休となる
飛行機の運行数が大幅に減らされ、ボストン-日本間の直通飛行機についても、5月・6月いっぱいは運休となってしまいました。
これにより、人の移動はもちろん、国際郵便も難しくなり、4月中は日本からアメリカ宛のEMSや小包郵便が全面配送不可となっていました。
最後に
以前の記事同様、マサチューセッツ州での感染件数と、州または市の対応を1週間ごとに表にまとめました(日曜日始め、数字は週末土曜日時点の値)。
自分達家族の生活のみに関して言えば、3月からそこまで大きな変化はありませんでしたが、州としてはロックダウン後も感染者数は大きく増え、世の中の日常は完全に変わってしまいました。
感染件数 (累計) | 死者数 | マサチューセッツ州または市の対応、社会の変化。 | |
---|---|---|---|
3/29週 | 11736 | 216 |
前の週までにstay-at-homeが出ている。 マサチューセッツ (主にボストン市近辺)の病院に勤めるhealthcare workersのうち、500人以上が感染しているというニュースが出る。 外出時にマスクをつけることが推奨される。 Boston Convention and Exhibition Centerが野外病院になる。 |
4/5週 | 22860 | 686 | マサチューセッツはニューヨーク州、ニュージャージ州に続き、3番目に感染件数が多い州になる。 |
4/12週 | 36372 | 1560 | 感染者などCOVID-19の統計データについて、地域ごと、人種ごとの細かい数字が発表されるようになる。 |
4/19週 | 53348 | 2730 |
州内の学校は今学期は校内でのクラスの再開はないことを決定。 保育園も特別な場合を除いては6月末まで使用不可となる。 |
4/26週 | 66263 | 3846 |
5/4までだったstay-at-homeオーダーが、2週間後の5/18まで延長される。 |
5/3週 | 76743 | 4840 |
マスク着用が義務化。違反した場合は罰金の措置。 ボストンで経済再開を訴えるデモ発生。 ボストン市は、9/7までに開催予定のイベントは全て延期または中止とすることを決定。 |
5/10週 | 84993 | 5705 |
マサチューセッツ州がロックダウンを解くまでの4フェーズ計画を公表。フェーズ3までは最低3週間毎に徐々に経済を再開させる。 フェーズ4はワクチンもしくは治療法が確立した時に開始できる。 |
5/17週 | 91662 | 6304 |
ロックダウン解除までの詳細の計画が説明される。 フェーズ1がスタート。 5/18から製造業、建設業、礼拝所などが再開。 5/25から追加で床屋、ビル勤務の仕事なども再開OKとなる。 |
5/24週 | 96301 | 6768 |
COVID-19による入院患者が減り始め、マサチューセッツ州でのピークは過ぎたとの見方が公表される。 同時にCOVID-19の治療用に用意された野外病院*2を、今後徐々に閉じると公表。 延期されていたボストンマラソンの中止が決定。オンラインで、一緒に走るイベントを計画中。 |
参照元:COVID-19 pandemic in Massachusetts - Wikipedia
ロックダウンの段階的解除が始まって2週間になりますが、現在のところ、報告される患者数の数は、以前に比べて落ち着いてきています。
まだまだ予断はできないですが、ロックダウン解除前の様子として一度まとめました。